作品集

家紋刺繍

祥 家紋刺繡

本作品は、お客様の深い想いを形にした、「根なし四つ松に二つ寄せ枝牡丹に枝抱き桃」という唯一無二の別注家紋を、西陣織の「蘇芳(すおう)」を生地に用い、緻密な刺繍で表現したものです。

  • 根なし四つ松: 伝統的な松の力強さに、いかなる場所でも深く根を張り、柔軟に対応する姿勢と、自由闊達な精神が込められています。末広がりで長寿を願う意味合いも持ち合わせています。
  • 二つ寄せ枝牡丹: 「百花の王」と称される牡丹は、富貴や幸福、そして繁栄を象徴します。二つ寄り添うことで、より一層の豊かさと調和への願いが表現されています。
  • 枝抱き桃: 古くから魔除けや不老長寿の象徴とされる桃が、枝に抱かれるように配されることで、生命力と子孫繁栄、そしてご家族の安泰を願う気持ちが込められています。
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この特別な家紋を刺繍額として昇華させるため、厳選した絹糸を用い、伝統的な刺繍技法を駆使しました。それぞれの文様が持つ意味と美しさを最大限に引き出すため、糸の撚り方や縫い目の方向、光沢の表現に至るまで、細部にわたり心を込めて仕上げています。

本作品が、ご依頼主様にとって末永く受け継がれるご家族の証として、また、新たな歴史を紡ぐ象徴として、その空間を彩ることを心より願っております。