本作品は、お客様の深い想いを形にした、「根なし四つ松に二つ寄せ枝牡丹に枝抱き桃」という唯一無二の別注家紋を、西陣織の「蘇芳(すおう)」を生地に用い、緻密な刺繍で表現したものです。
この特別な家紋を刺繍額として昇華させるため、厳選した絹糸を用い、伝統的な刺繍技法を駆使しました。それぞれの文様が持つ意味と美しさを最大限に引き出すため、糸の撚り方や縫い目の方向、光沢の表現に至るまで、細部にわたり心を込めて仕上げています。
本作品が、ご依頼主様にとって末永く受け継がれるご家族の証として、また、新たな歴史を紡ぐ象徴として、その空間を彩ることを心より願っております。