作品集

家紋刺繍

祥 家紋刺繡

本作品は「丸に抱柏(まるにだきがしわ)」という家紋を、上質な西陣織の生地を地とし、本金糸で緻密な刺繍を施したものです。

柏の葉は、新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家系が途絶えない」「子孫繁栄」の願いが込められた、大変縁起の良い植物とされています。また、神事に使われることから神聖な力を持つとも考えられてきました。

西陣織ならではの上質な光沢と豊かな風合いが、シンプルながらも力強い「丸に抱柏」の家紋刺繍の美しさを一層引き立てています。

本金糸ならではの深みのある輝きは、光の当たり方によって表情を変え、家紋に荘厳さと品格を与えています。伝統的な刺繍技法を駆使し、糸の撚り方や縫い目の方向、光沢の表現に至るまで、細部にわたり心を込めて仕上げました。

本作品が、ご依頼主様にとって末永く受け継がれるご家族の証として、また、新たな歴史を紡ぐ象徴として、その空間を彩ることを心より願っております。